技術と設計と形と数値について

しばしば同じようなものとして語られてしまう「技術」と「設計」。密接に関わっている両者ですが私はこれらを別物として見ています。

技術はある機能を実現するための手段の体系、技術開発はその手段を生み出す活動、設計は生み出された技術を組み合わせてアイデアを現実の形にしていく作業。もの凄く乱暴にくくってしまうとこんな感じでしょうか。

実際の開発活動の中では両者が混然となって行きつ戻りつするので明確な線引きをするのは難しいのですが、私の中では「今何をやっているのか」について割とはっきりとした区別があったりします。

概念として別物である「技術」と「設計」ですが両者には共通するものがあってそれが「数値」です。

技術は性能として数値で語られ、設計という活動を経て性能に寸法が与えられて具体化し、現実世界に目に見える形で現れてきます。

モノが持つ形にはそれが決まってきた背景や根拠があって、加えてその寸法には意味があるということ。そういう目で色々なモノを見るとまた違った側面を発見できたりして面白いのではないでしょうか。

10mm

幅130mmの板を10mmほど湾曲させる。半径でR220mm。薄いコピー用紙でも少し曲げてやることでコシが出て自立するようになります。

20°

紙を手に取ったときに崩壊しない自然な角度。

30°

紙を重ねたときに端面に自然な角度を付け一枚ずつ取りやすくしています。

アルキメデスの時代に発見されたテコの原理や重心の概念。紀元前の中国で発明されたとされる紙。コンピュータと3D-CADというソフトウェア技術。3Dスキャナーによる正確な形状把握手段。3Dプリンターという製造技術とそれに使うレジンの素材技術。

紀元前の昔から連綿と続く手段の体系を用いて今現在の問題を解く。技術は過去からの積み重ねで、設計はその時代を切り取ったものと言えるかもしれません。


3Dスキャナー:EinScan Pro

3Dデータ作成:Autodesk Fusion360

3Dプリント:formlabs Form2 (ホワイトレジン)

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この記事を書いた人

京都・五条の京町屋を改装した研究開発工房、足立製作所(ARD workshop)です。元家電メーカーの量産設計出身で、3D-CAD 歴は 25 年以上。Fusion 360 による 3D モデリング・CAE 解析・研究開発の設計と、企業向けの 3D-CAD 研修(遠隔対応)を行っています。詳しくは足立製作所について、ご相談はお問い合わせから。