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工房の風景



私がいつも作業している工房は京都市内、地下鉄五条駅からほど近いところにあります。


コミュニティラボN5.5というコワーキングスペースの一角をお借りして3DプリンターとCNC加工機を置き、自分の作品を作ったり、地元の事業者様からのモノづくりのご依頼に対応したりしています。



京都というのは不思議な街で、何の変哲もない住宅街の中で最高級の絹織物を作っていたり、何でもない街角に宮内庁御用達の弓を作る工房があったりします。有名な企業の発祥の地であったり、世界有数の観光地であったり。歩いたり自転車に乗って動ける範囲に全てのものが凝縮されて集まっている感じで、遊ぶところも食べるところも学校も働くところも全部この地にあります。


そんな空気感の中でモノづくりの仕事をするのは何だか独特な感じがあって、これは一体何なのか上手く言語化できずにいました。


最近思い至るようになったのは、これは「場所が結ぶ縁」なんじゃないかということです。


モノづくりをするには広さとある程度の騒音が許容される空間が必要です。京都の街中はこの点だけを考えれば不利なのは確かなのですが、それでもそれを上回るような「良い感じ」が肌感覚としてあります。


簡単に言うと「人が集まれるかどうか」ということかもしれません。モノづくりを生業にしている人にとっては息をするように当たり前のことでもそうでない人にとっては新鮮に映る。そんな場所がここ京都で図らずもできてしまったという感じです。偶然が折り重なった結果であってまさに「縁」と呼ぶにふさわしい。


この記事を書いている2022年2月の時点ではまだコロナの終息は見通せていませんが、その時に備えて去年工房を改装し準備をしてきました。いずれか近い将来に何の気兼ねもなく工房を訪れていただけるようになることを切に願っています。


最後にこの場所で仕事ができるようご配慮いただいた株式会社コミュニティ・ラボ株式会社YOKOITOの皆様にブログ上ではありますが感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。


皆様と一緒により良い場所にしていけるよう頑張ります。

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